|
■味を守るため手造りにこだわる・・・
さっそく蔵の中を案内していただくことになり、事務所と販売店に隣接する作業場に入ると5〜6人の蔵人、いや、ご家族の方々が忙しそうに仕込み作業やラベル貼りにおわれていました。写真の仕込み風景は、ちょうど麦が蒸しあがったところで、櫂を入れて冷ましたあと、種麹をまいている様子です。 麹菌をつけた麦は、麹室に運ばれ一晩過ごした後、一升づつモロブタというトレーのような木箱に入れて麹を丁寧に育てます。こうした行程を日本酒にたとえるなら、いわゆる吟醸酒造りで、一般酒の仕込みではあまり見ることができません。ましてや焼酎の造り酒屋さんからはほとんど姿を消しているのではないでしょうか?出来上がった麦麹は、少し離れた仕込み蔵まで樽に入れて(なんと、二人がかりで担ぎ何往復もするようです)運ばれ醪(もろみ)をつくります。1次仕込み・2次仕込みと2段階に仕込みが行われること約2週間。できあがった醪を蒸留してようやく焼酎が生まれるわけです。 簡単な説明となってしまいましたが、どの行程も想像を絶するほどの重労働で酒造りの大変さを痛感します。ここ藤居醸造ではめっきり少なくなってしまった昔ながらの酒造りを受け継ぎ、飲みやすさより、飲みごたえのある酒造りを目指しているということです。代表的な銘柄「自然麦」を口に含むと、麦焼酎ならではの柔らかな味わいの中にも、麦の持つ旨み、甘味がうまく表現されています。今回の珍道中は、藤居さんが言っていた「麦焼酎にこだわってるところなんかないですよ!」という言葉を考えさせられた旅となりました。
|