珍道中日記「猿ヶ城渓谷蒸留所」

■猿ヶ城渓谷蒸留所■

今回は、30年ぶりに製造蔵を復活させたという鹿児島県の八木酒造さんへ行ってきました(2006.2.22)

鹿児島市内の鴨池港からフェリーで40分あまり、大隈半島にある垂水港につきます。

垂水市内から車で10分ほどで蔵元のある猿ヶ城渓谷(さるがじょうけいこく)に到着です。後方に見えるのが、猿(ましら)大王が住むといわれる「刀剣山」。
 
かつては、別の場所で焼酎作りが行われていましたが、ここ猿ヶ城渓谷にまったく新しい製造蔵をたてました。八木社長の長年の思いであった”蔵を復活させる夢”がかなったのです。

右の写真が、杜氏をつとめられる吉行正己さん。昨年は醸造業界では初めて鹿児島県知事から表彰をうけたという名杜氏さんです。今年75歳になられるそうですが、めちゃくちゃお元気!あの、斬新な焼酎をつくる感性は、とても75歳とは思えません。

今回蔵元を案内してくれた八木健太郎さん。とても優しい人柄。

 

そして、健太郎さんの弟で、吉行杜氏の一番弟子が八木大次郎さん。将来は杜氏を目指しています!まだ19歳!

写真でもわかりますが、仕込み蔵は甕が整然と配置されていてみごと。
甕の大きさは約500リットル。一次仕込みは300kg、2次は1700kgの芋を掛けるというので、一回の仕込みは2000kgとなり、4つの甕に別けて発酵させます。

写真を撮っていると、まるで火山のマグマのように醪が沸きあがり、甕の外へ飛び散っています。「うわぁーーなんだ!」と声を上げると、すかさず健太郎さんが「うちの醪は元気なんです」と一言。

他の蔵元で、醪の中にヒーターを入れた瞬間に、醪が湧き出たことを見た事がありますが、ここでは、日常的な光景のようです。

 

もちろん、発酵力が高いせいで醪が沸いているのですが、では、なぜ、そんなに発酵が強いの?と、質問すると。

「水と環境がいいんです」ということ。
環境がいいから、酵母が元気だというのです。ナルホド。

右の写真は、仕込み蔵に隣接する貯蔵庫。貯蔵甕が何本も並んでいます。中身は麦焼酎「千が飛ぶ」だとか。
八木酒造のスタッフは、みな気さくな方ばかり。いろいろ質問すると笑顔で返事をしてくれます。写真は宏さん。
 
蔵元から200Mあまり山林を歩くと、「ましら千年洞窟」があります。昨年、ぐうぜんに発見されたようで、暗い洞窟の中はコケに覆われ、湧き水が小川となって流れています。将来はここで焼酎を熟成させるプランもあるとか。
 

猿(ましら)大王が住むといわれる猿ヶ城渓谷の山々と洞窟。また、驚くほど発酵力の高いもろみ。なんとも神秘的な雰囲気につつまれた猿ヶ城蒸留所でした。

吉行杜氏さん、スタッフの皆さんありがとうございました。

 
 
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