珍道中日記「八海山がつくる本格焼酎」

■ 八海山がつくる本格焼酎 ■

今回ご紹介させていただくのは、焼酎「よろしく千萬あるべし」をつくる蒸留所。清酒八海山の製造元である八海醸造さんが、平成18年から稼動を始めた焼酎蔵だ。

 

ここ、新潟県南魚沼市は、豊かな自然に囲まれていて、山鳥のさえずりや、せせらぎの音が、どこからともなく聞こえてきて気持ちが良い。

焼酎蒸留所は、深沢原蔵(左上写真)とよばれ、近くには一般酒を製造する第二浩和蔵(左写真)、そして車で5分足らずの場所に、吟醸酒をつくる本社工場、さらには地ビール工場とレストランが一緒になった泉ヴィレッジがある。

 

 

現在のところ深沢原蔵がつくる焼酎は、次の2種類

・本格米焼酎 「よろしく千萬あるべし」
・本格粕取り焼酎 「宜有千萬」

いずれも同じような名前、さらに醸造方法が似てるので、ちょっと、ややこしい・・・。

 

深沢原蔵の責任者をつとめる、製造課の佐藤孝紀さん
に、この焼酎のことをじっくり聞いてみると、

本格米焼酎「よろしく千萬あるべし」は、
その名前のとおり米からつくる焼酎で、清酒八海山をつくる時にでる、米糠(ぬか)を使って醪(もろみ)をつくるという。糠というと聞こえが悪いが、精米する時に出る米の粉で、中心部に近い特上糠だけが使われている。

1回の仕込みは3tでやや大きめ、2週間ほど発酵させた醪を、減圧蒸留して2年間熟成させるという。

 

また、米の風味を高めるために、発酵途中の醪に、酒粕を加えているのが特徴だ。

 

 

本格粕取り焼酎「宜有千萬」は、
粕取り焼酎とは、清酒を搾った後にでる酒粕を蒸留することによってできる。かつて、九州北部で考案された焼酎で、全国の清酒蔵にひろまったという。しかし、太平洋戦争後に出回ったカストリという粗悪なアルコール飲料と混同され、姿を消したらしい。

 

しかし、昨今の焼酎ブームにより、清酒蔵が再生産するケースが目立ってきた。

右の写真は、ちょうど酒粕を原料処理しているところだ。驚くことに、ここにある大量の酒粕(300kg)からできる焼酎は、僅か50リットル。1日の生産量は100リットルが限界だという。

 

 

 

前述したように、粕取り焼酎は清酒を搾った後の酒粕から造られる事から、清酒が生産される時期にしか仕込が行えない。八海醸造の稼働日数は年間200日だから・・・

 

年間生産量は、100リットル×200日=20,000リットル。ほんとうに僅かな生産量しかない。ちなみに、蒸留した焼酎は、3年間熟成させるという。

 

 

 

私がおじゃました時には、ちょうど3年前に仕込んだ粕取り焼酎を瓶詰めして、初出荷の準備作業がすすめられ、検査室では品質チェックが行われていた。

粕取り焼酎がそそがれたグラスからは、華やかな吟醸香が溢れている。アルコール40度という濃厚な味わいの中に、たっぷりとした旨みを感じた。

 

八海醸造がつくりだす酒は、料理とのマッチングの良さを感じる。日本酒・焼酎・ビール、どれをとっても製造者の強いポリシーがうかがえる。

 
 
このページで紹介した焼酎は宜有千萬よろしく千萬あるべし